谷崎賞、中公文芸賞の贈呈式に出席しました

10月9日東京・丸の内の東京會舘で行われ、谷崎賞が村田喜代子氏の『飛族』(文藝春秋) 、中公文芸賞は吉田修一氏の『国宝(上・下)』(朝日新聞出版)に決まりました。
村田氏は受賞のあいさつで「私は小説を書くとき、ないことは書きません。みんな本当にあったことしか書いていないんです。(以前作品の中で書いた)姥捨ての場所で骨がザクザク出てきたんです。(略)小説を書いていると、世の中は何でこんなに不思議に満ちているのだろうと、いつも思います」と語りました。
中公文芸賞の選評について選考委員を代表して村山由佳氏。
「歌舞伎の世界の光と闇を、どうやってここまで克明に描くことができたのか。本当に素晴らしい作品です。物語の中に、取材や勉強の跡が見えるものだが、本作品は全く感じられません。全くのフィクション。その物語の中で読者は安心して楽しめるのです。(略)世の中には小説という形でないと伝わらない感動があるということを知ってもらえる作品です」と講評を述べられました。