市区町村における「人名漢字」の問題

以前から指摘はされていましたが、マイナンバー制度の導入がその問題を再燃させたようです。問題の本質は、その管轄について国の統一基準がなく、そして今後も統一化される見込みがない、ということです。その理由は、以下の通り。
常用漢字・人名用漢字・表外漢字は文科省の管轄、住基ネット統一文字は総務省、JISは経済産業省、戸籍統一文字は法務省。しかし各省庁が基本的には縦割りになっているため、行政手続きにおける人名漢字に関する問題は、根本的な日本語文字の統一化の問題として、見通しは明るくないという指摘もあります(注1)。
ただし政府は「デジタル・ガバメント中長期計画」の中で、全ての行政手続きのオンライン化や行政機関間の添付書類の撤廃、デジタル化を実現するためのシステム整備について取り組みを進めています(注2)。
2018年10月、科学技術相はインターネット上で全ての行政手続きを行えるようにする「デジタルファースト法案」を2019年(当初は2018年中)に国会へ提出する予定です(注3)。
参考までに衆議院、参議院のHPでは、議員名の表示に注意が必要な氏名には2種類の漢字表記を紹介しています。この問題が解決するときは、この表示が1種類になるとき……。弊社では、人名漢字に関して各現場で都度その問題に対処をしています。
※参考:(注1)「電子行政における使用漢字の問題」(株式会社富士通総研経済研究所 榎並利博氏)、(注2)「デジタル・ガバメントの推進について」(内閣官房 情報通信技術総合戦略室)、(注3)「日本経済新聞 2018/10/24付朝刊」